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日曜日, 9月 11, 2011

痛風リスクを回避しよう。 アルコールと肥満の管理が大事。

風が吹いても痛むという痛風


足の付け根あたりが赤くはれる。贅沢病ともいわれる。発症する箇所は足の親指の付け根(70%)。足の甲、かかと、アキレスけんの付け根、ひざ、ひじ、肩、手の指に痛風の発作がおこる。

生活習慣病の代表的な病気の一つだ。テレビを見ていたら特集していたのでメモ。

生活習慣の改善が必要とされるが、中でも、もっとも重要なの

  • 肥満を回避する
  • アルコールを適切に(20ml/日いかに抑えて休肝日を1-2日/週)

ということらしい。


もう少し詳しく管理するなら、プリン体と尿酸に関する知識を深めるといい。




痛風の原因はプリン体。プリン体は、飲み物や食事から摂取される他、細胞が新陳代謝を行う際や、エネルギー代謝により体の中で作られる。プリン体は尿酸になり血液に流れ出て、その量が多くなると関節に結晶化して痛風になる。

プリン体でよくやりだまにあがるのは、含有量が多いビールだ。焼酎は含有量が0なので、比較的、アルコールの中ではまだ健康的だと言われがちだが、実は、アルコール自体に体の中のプリン体を増やす作用があるので、結局どのアルコール飲料も痛風には悪いようだ。


痛風の発症年齢は、近年若年層にシフトしてきており、昔は50代での発症が多かったが、30代での発症が増えている。


プリン体が体内で増えるのは3つの理由による。

  • 新陳代謝・・・プリン体はDNAを構成する物質の一つで、どの細胞にも含まれる大事なものだが、古くなった細胞が体の新陳代謝で分解されると、プリン体が体の中にでてきてしまう。
  • エネルギー代謝・・・プリン体はエネルギー源になる物質の材料でもあるが、激しい運動や内臓で大量のエネルギーが使われるときなどその過程でもでてくる。アルコールは肝臓で分解されるが、エネルギーを使う。そのために、プリン体が発生する。さらに、飲みすぎると乳酸が出来、腎臓からの排出を妨げてしまう。
  • 食べ物から入るプリン体・・・食事によって体内に入る。


プリン体は肝臓に集まってそこで分解されて体に出しやすい尿酸に代わる。この尿酸が痛風を引き起こす直接の原因。
尿酸は、肝臓から血液に入るが、通常は一定に保たれる。新しく尿酸が入ると、多くは腎臓で処理されて排出される。入ってくる尿酸の量が多くなると排出が間に合わずに血液中の濃度があがる。入ってくる量が正常でも排出できる量が減ると血液中の量があまりへらないので、尿酸が増えてしまう。これが痛風の原因。尿酸は血液に溶けにくい。ある一定の量を超えると結晶化し、血液内とか関節の中にたまる(尿酸結晶)。尿酸が関節の中で結晶化して蓄積するがあるときなにかのきっかけで、尿酸やPHが下がった時に、尿酸の結晶がゆるんで関節の空欄に落ちてくる。白血球がそれを敵とみなして食べにくる。その時に、炎症を起こす物質を出すので、そこで痛くなる。

血中の尿酸を増やす大きな原因が肥満とアルコール


  • 内臓脂肪が増えると、尿酸の排泄がしにくくなる。プリン体が作られやすくなり、増える。
  • アルコールは肝臓で分解されるが、エネルギーを使う。そのために、プリン体が発生する。さらに、飲みすぎると乳酸が出来、腎臓からの排出を妨げてしまう。

血液中の尿酸値7.0ml/dl以上で、高尿酸血症と診断される。痛風の前の段階。
この値を超えると尿酸が溶けきれずに固まりやすくなる(尿酸結晶)。治療が知慮が必要な段階にさしかかる。
皮膚の下や関節に尿酸結晶ができると、痛風結節、腎機能低下、尿路結石、高血圧や心臓病も多い。
尿酸値が高いだけでは自覚症状はないので、病状の進行に気付かないので危険。常に検査でモニタリングを。


痛風になりやすいのは以下のような人。

  • 男性、もしくは閉経した女性。尿酸値は男性ホルモンによって上昇する。女性ホルモンは下げる働きをする。
  • お酒が大好き(1日ビール中瓶1本以上、日本酒1合以上)
  • 肉や酒が好き
  • BMI(体格指数=体重/身長/身長)が25以上



生活習慣の改善が必要だが、以下のような工夫をしてみることを勧める。

  • アルコールの適量を守る。アルコール20mlまで(ビールは500ml、ワイン180ml、焼酎100ml、日本酒180ml、ウィスキー60ml)。そして毎日飲まない。(休肝日1-2日)


  • 肥満を避けるように食事と運動の改善。食事からのプリン体の1日の摂取量400mg以内に抑える。



食物に含まれるプリン体の量を把握しておくことも大事(以下100g中の含有量)
  • 300mg以上あるもの・・・あんこう肝酒蒸し、いさき白子、鶏レバー、まいわし干物
  • 200mg以上含有する物・・・豚・牛レバー、かつお、大正エビ、まあじ干物、さんま干物
  • 100mg以上含有する物・・・牛もも肉、まぐろ、まあじ、さば、うに、たい、たらこ、



料理に工夫を加えると、食べる量を抑えることができる。強引に、我慢すると反動がおこるので、上手にセーブする。また注意すべき料理法を気にしておくことも大事。

  • エビチリやレバニラなどは、プリン体を含むレバーやエビの量が、料理の中に多いのでよく注意する。
  • 少ない材料でもかさを増やすように見せる料理方法はよいテクニック。えびは縦半分に切って二匹に見せるなど。背に縦に切れ目をいれ、腹には黄疸方向に切れ目をいれると火を入れた時に丸まり背がひろがりボリューム感がでる。
  • にぼしや鰹節もプリン体は多いが、味噌汁などででるだしの量は、食事として食べる量から考えると1-2杯でそう問題になるほど摂取しない。(煮干し二匹で14.9mgしか含まれない)
  • 食物繊維はプリン体の吸収を抑制してくれるので、野菜は積極的に食べる。食事の最初に食べたい
  • 尿をアルカリ化してくれる食材。干しシイタケ、にんじん、わかめ。尿が酸性に傾くと尿酸は溶けにくくなる。尿酸が溶けにくくなると結石になりやすくなる。
  • プリン体は水に溶けだすので、ゆでるなど料理の方法によっては、量を減らすことができる。鍋で雑炊にすると、溶けだしたものをたべてしうこととなるので注意。
  • 水分は1日2l程度を補給する。
  • 一口ごとにはしと茶わんをおく。その間にゆっくり噛むことが大事。20-30回程度。血糖値の上昇を知覚するまでに15-20分かかるのでゆっくり食べる。
  • 白米より玄米のほうが噛む回数が増えてよい。
  • 一盛りにしてみんなで食べるようなスタイルの食事の場合、肉などは先に食べる量をよく考えて、とり皿にとってたべる。
  • お酢が尿酸値を上げるということは考えなくていい。お酢は酸性だが、お酢は体内でニ酸化炭素と水に代謝される。
  • 珈琲を飲む人は、尿酸値が統計上少ない。推測の範囲だがポリフェノールがいいといわれる。
  • 乳製品が尿酸値を低くする。良質のたんぱく質カゼインやラクトアルブミンが排泄を助ける。
  • 砂糖や果糖の含まれるジュースは尿酸値を増やす。ジュースにすると果糖の吸収が早くなり、尿酸値があがりやすくなる。
  • 生の果物自体は問題ないという。




遺伝子ABCG2の影響があるといわれる。
この遺伝子は、腎臓などでは、血液から尿酸を取り出して尿の中に排泄する働きを果たしている。血液と尿は細胞の列で隔てられているのだが、遺伝子ABCG2は細胞の壁を通して尿酸を尿の中に届ける運び役となっている。この遺伝子に異常があると、うまく排泄されない。
この遺伝子の機能状態が、正常、機能半分、機能消失という3つに区分けされ、人は二つの遺伝子をもっているが、その状態により痛風発症に大きく影響しているという。
機能半分と正常のものを持つ人だと二つとも正常な人の3倍、機能半分と機能消失を持つ人だと26倍になるそうだ。
一方尿酸値が正常な日本人のABCG2の遺伝子は、機能低下ある人ととない人の割合が半々。つまり、遺伝子がだけ決め手ではないということ。さらにいえば、生活習慣がやはり重要だということだ。



痛風を患った場合、まずは生活習慣を改善する。が、ある程度を超えると薬物療法に頼ることになる。尿酸を下げる薬。薬物治療による目標値は6.0mg/dl以下。日本では、基本的に尿酸降下薬を飲み続けるケースが多い。海外では症状が改善すれば、一度中止することもある。
1.薬の種類
  • 産生過剰タイプ・・・尿酸がつくられにくくなる薬
    • アロプリノール(1日1-3回服用・・・腎臓に副作用が多い。2%に発疹など。)  
    • フェブキソスラット(1日1回・・・肝臓と腎臓にバランスよく排泄されるので、腎臓への負担が軽い)
  • 排泄低下タイプ・・・尿酸の排泄を促す薬(副作用として尿路結石)
    • ベンズブロマリン
    • プロベネシド
2.薬を使うタイミングは、尿酸値の量が基準。
  • 7.0mg/dlを超える  生活習慣の改善のみで対応。
  • 8.oml/dlを超え、尿路結成や腎臓障害、高血圧などの合併症がある場合は、生活習慣の改善に加え、薬物療法を行う。
  • 9.0ml/dlを超えると、痛風リスクが非常に高まるので、生活習慣の改善に加え、薬物療法を行う。




痛いときの処方対処法は、治療を受けて痛みどめを。非ステロイド系の鎮痛薬。副作用としては胃腸障害、出血を伴う胃潰瘍などがある。

応急処置としては


  • 安静にする。さすったり、もんだりしない。
  • お酒は炎症を増やすので飲まない。
  • 患部を冷やす。温めない。
  • 患部を心臓よりも高くする。血を足に流さないように。











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