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日曜日, 3月 29, 2009

脂とコレステロールを考える

【脂に対する誤解】
脂は敵かと味方か?という見方はしばしば判断を狂わせる。

脂とどうつきあうか?という見方をもつことが、より生活習慣に対する改善を誘うことになりそうだ。

まず、油脂はある程度必要だということだ。成人の一日に必要なエネルギーを2000kcalとすると、その20~25%にあたる400-500kcal(油脂の分量で言うと40-50g)は脂質で取らなければ、健康を維持できないという。この量が不足すると、血管や筋肉を健康に保つことができなくなるし、炭水化物などの他の栄養素を燃やすことができず糖尿病になりやすくなる。だが脂質をとりすぎると確かに血液中のコレステロールが余った血管の内側の壁に染み込み、こびりついて動脈硬化を起こす。

目の敵にするのはいけない。上手にとることが必要だ。また、いくつかの種類の油脂をバランスよくとることも健康維持に必要だろう。そのためにも、どのようなものが良いのか悪いのか一通り学んでおくことはよさそうだ。

戦うならば、敵を知る必要もあるし、味方を知る必要もある。

【油脂の分類】
脂質は以下の3つに大別される。含有される代表的な脂肪酸コレステロールに対する働きかけを記載しておく。
  • 飽和脂肪酸・・動物性脂肪に多く含まれる。とりすぎると、コレステロールを増やして、動脈硬化を促進し血液を固まりやすくする。
  • 一価不飽和脂肪酸・・オレイン酸など主に植物性の脂に部組まれる。悪玉(LDL)コレステロールだけを減らす。
  • 多価不飽和脂肪酸・・リノール酸やリノレン酸、EPA、DHAなど。人体内では合成できない。コレステロールを減らす。とりすぎると、HDLを減らし、脂肪の酸化物質を作りやすく、発がん性物質の作用が強くなる。
コレステロールには、LDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉)コレステロールの2種があるが、これらの油脂の種別によって働き方が異なるわけだ。コレステロールの多い人は、一般的にはLDLをまず減らしたいと感じるだろうから、油脂の採り方も注意すべきだろう。

もっとも最初に振れているように、油脂は体の健康を維持するために必要なものだ。注意しなければいけないのは、ある油脂をきらうことは栄養面の偏りをつくることだということだ。以上の3つの脂肪酸は3:4:3くらいの比率でとることがのぞましいということらしい。



【各種脂肪酸】
専門的な話なので、リンクを貼っておく。コレステロールとの関係で注目すべき点を記載しておこう。
私たちの生命を維持するのに欠かせないが、中でも体内では合成されず、食物からしか取れない脂肪酸を必須脂肪酸といい、代表的なものに、αリノレン酸とリノール酸がある。
日本人の動脈硬化が進んでいるという現実は、食生活の変化によるものだが、中でも動物性油脂とN-6系脂肪酸がの摂取過多が影響しているという。2005年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、n-6系の上限とn‐3系の加減をさだめているという。
  1. α-リノレン酸・・n-3系脂肪酸  しそ油に豊富らしい。
  2. リノール酸・・n-6系脂肪酸LDLを下げる働きがあるが、とりすぎるとHDLまで下げる。家庭で一般的に使われている食用油に多く含まれる。酸化しやすく、取りすぎると免疫力を低下させる。
  3. γリノレン酸
  4. アラキドン酸・・レバーやあわび、らんぱくに多く含まれる。血液や免疫機能を調整する働きをする一方、とりすぎると動脈硬化を進行させやすくするといわれている。
  5. トランス脂肪酸・・マーガリンやショートニングなどに含まれる。HDLを低下させてLDLを上昇させるといわれる。
  6. オレイン酸・・LDLを減らしHDLを増やす働きがあるという特徴があり、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ。酸化しにくい。
酸化しやすい油は、体内で過酸化脂質という有害物質がたくさん発生させ、ガン、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を促進する。


コレステロール対策として考える油脂との付き合い方】
  • オリーブオイル・・・・一日2色以上70%以上がオレイン酸。また、抗酸化性の高いビタミンEを多く含む。
  • アーモンド・・・一日20粒。ビタミンEの含有量が多い、オレイン酸を多く含む。脂質の吸収を抑える食物繊維を多く含む。カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富。
  • 魚の脂・・・一食に魚一切れを。できれば一日に摂取する油脂の1/3を魚で摂取。EPADHAの効果により、血液の凝集を抑えてコレステロールを下げる働きがある。



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