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日曜日, 9月 13, 2009

新型インフルエンザの脅威

新型インフルエンザの脅威をテレビで報じていたので、記録しておこう。

新型インフルエンザについては、以前このブログでも取り上げたことがある。昨年の年始の時の投稿だ。このとき、ワクチンの投与順序をきめるなどアクションプランを作っておくべきだと記している。でも、日本では今頃、ワクチン接種の順番の話題がニュースで取り上げられている。あらためて、日本の医療体制の後進国ぶりを感じる。高い医療技術を持った方は多いのだと思うが、体制に関する危機対応は今一つではないかと思うのは私だけか・・・・。もちろん、医療制度改革によって壊してしまった体制の結果でもあるかもしれない。

インフルエンザに話題をもどそう。

正直言ってこの映像を見るまでは、今一つピンとこなかった。でも、やはり世界で話題になっているだけあって、とても恐ろしい病気だ。

重症化した時の症状の特徴は以下の3点

  1. ウィルス性肺炎。X線検査で白く映るのでわかる。抗生物質を投与しても効果が無い。ウィルスが肺の中でどんどん増殖する。発症から5-7日で血液や様々な分泌物が肺にたまり、それに溺れるように呼吸ができなくなりやがて死に至る。
  2. 腎臓や肝臓が働かなくなる多臓器不全の発症。一部にサイトカイン・ストームではないかという推論があるらしい。ウィルスが体内に侵入すると、ウィルスから体を守る免疫の働きでサイトカインというたんぱく質が分泌される。しかし、サイトカインが分泌されすぎると肝臓や腎臓にダメージを与えることがある。特に免疫力のある若い人ほどその傾向が強いとされている。
  3. 発症から重症化するスピードが速い。軽症の時に病状を特定するのが困難だが、重症になってから処置をすると手遅れになる。重症化の兆候としては、大人の場合呼吸困難や胸の痛み、子供の場合は息苦しそうであり顔色が悪いなどの症状が現れる。

現在、医療先進国であるアメリカですら600人が死亡。病状の進行のスピードに診断と治療が後手に回ったケースも多いようだ。

南米チリでは、冬に入り感染者が拡大。病院に殺到して、診察を受けられない状態となった。治療を待つ患者は病院の外まであふれた。重症の患者も増えた。そのため、ウィルス性肺炎の治療に必須の人工呼吸器が不足。チリでは130人が死亡。


このような医療現場の破綻は日本でも予測されている。

沖縄では人口の5%にあたる人が医療機関で受診。発症は特に子供が多く、重症化するとPICUという子供用の集中治療室で集中治療を受けなければいけない。が、もともとPICUはその他の重症の病状の子供が治療を受けるはずのものだ。少ないベッドが新型インフルエンザの患者で埋め尽くされる状況にもなり、その他の患者を診ることができなくなってしまう恐れがあるわけだ。ベッド数が少ないから、受け入れられないという選択をするか、あるいは、他に比べて軽症ならばでてらうという選択をするか、過酷な選択を行わなければいけない。また、PICU内に、新型インフルエンザ患者が入ると、その他の患者が感染する恐れもあるわけだ。

現在76万人が感染すると予測されており、3万8千人が重症になるとみられている。重症になると人工呼吸器は必須で、その機械の不足も問題になる。また、感染者はチリの例にみられるように病院に殺到するので、重症・軽症の患者が混在して適切な治療を受ける効率があがらず、重症化するとみられている。この状態を避けるのに、有効な手段としては、感染のスピードを遅くすることだ。患者からの感染を1%下げられれば55万人に、2%に下げられれば37万人に下がることになり、それだけ、治療の処理が楽になる。

この点にいち早く対応したのはイギリス。この夏、1週間の感染者数が10万人を超え、医療機関の混乱が起こった。そこで政府は7月インターネットによる診断を導入した。発熱、せき、頭痛、鼻水、胸の痛み、下痢など医師のの問診と同じ質問が続き、インフルエンザと診断されると抗ウィルス薬の引き換え番号が提示され、その番号を示すだけで病院にいかなくても、市内各地の薬の受け取り場所で薬を受けられる。
このシステムにより、医療機関の混乱は収まり、時妊婦や基礎疾患のある患者の治療に専念する余裕ができたという。町に不必要に外出して
もうひとつ工夫がある。薬を取りに行くのは、本人ではなく家族など、インフルエンザフレンド→フルフレンド。患者本人が外出する機会を少なくして、町への感染の拡大を防ぐ狙いだ。
フルフレンドも患者との間では薬は直接手渡さない。ここでも感染の機会を減らしている。

国内でも沖縄で新たな試みが始まっている。
  • 那覇市立病院では、地元の開業医に依頼して軽症の患者を診てもらうことにした。この病院の医師や看護師は余裕ができた分重症患者の治療に専念できる。
  • 沖縄の中部病院では、軽症患者は開業医や賃料所で、中~重症の患者は救急病院、最重症患者は中核病院で行うよう役割分担を行っている。ピラミッド型の体制を構築して、保健所や婦人会を通じて住民にその対応を浸透させた。重要なのは、診療所との連携であり、アクションプランをしっかりと伝えており、重症患者への対応を即座に行えるようになっている。
このような体制ができている自治体は8つのみ。関東地区にはない。
この冬まちがいなく日本国内でも、流行するだろう。
感染拡大に努力は理解できるが、もしかかってしまったら、この番組を見る限り、早期に医療機関に治療を求める以外にはない。そして、おそらく、人工呼吸器にしろ、ワクチンにしろ不足することになるわけだ。

政権の実力がしれる最初の試練となるかもしれない。