食彩の王国という番組でとりあげた内容。記録しておこう。
起源は地中海。日本へはシルクロードを経て中国から伝わった。
長崎半島南端野母崎町は古くから知られるからすみの名産地。このあたりには大群のボラが産卵にやってくる。
ボラの卵がカラスミになる。以下の工程でからすみをつくる。仕込む季節は秋。
- ボラから卵を抜き取り丁寧に血抜きして濃い塩水に2週間つけて塩を中まで浸透させる。
- 真水に入れてゆっくりもどして、余分な塩分を抜く。塩抜きの加減が大事(塩抜きがたりないと塩辛くなり、抜きすぎると腐りやすくなる)。塩が均等になるように数回に分けて行う。
- 水気をきるために板ではさんで形を整える、平たくして乾燥のムラをなくす。
- 12月から2月にかけて乾燥。
- 仕上げの天日干し。卵のうす皮が傷つかないようにする。
- 寒風にさらし日光のあたる面を裏返しながら、20日以上かけて乾燥させる。
- 寒さが厳しければ厳しいほどいいからすみにしあがる。
- 日光にあてて干すと、うまみと卵のあぶらがほどよく凝縮し、ねっとりと濃厚な味となる。
ボラは他にいかのような味わい方がある。
- 春先のボラは油がほどよく抜けて、鯛のような味わい。
- ボラの身はさしみ。
- ボラのへそを干したものは、サキイカのような味わい。。
- ボラの味噌炊きもあう。。
ボラは成長につれてオボコ、イナ、ボラ、トドと名前を変える出世魚
縁起の良さにあやかった言葉もうまれたとしては
- 稲背(粋でさっぱりした若衆)
- 鯔のつまり(ものごとの結論)
中国との交流の長崎にからすみ(唐炭→鯔子)作りが伝わった。
伝来当時はさわらの卵だった。のちにボラで作られるようになったという。
もともとカラスミは地中海地方で生まれた。イタリアのサルデーニャ島は今も産地として知られる。高級食材。
以下イタリア料理の例
- セロリをオリーブオイルとレモンであえてトマトの上にもりつける。その上にからすみの薄切りをのせる。
- 野菜スープのゼリーよせにボタンエビを載せて、からすみをすりおろす。
- アーテイチョークとあさりを炒め合わせてスープパスタに。その上からからすみをすりおろす。
- ひらめを刺身にして、厚めに切ったからすみをつつむ。
- 鯛の切り身にからすみの薄切りをのせしばらく置いて味をなじませた後、酒を振って8分蒸し焼き。スダチをかけてたべる。
- ハモのすり身を広げて、カラスミ一本を丸ごと包む。白みそと酒かすにみりんと薄口醤油で味をつけて味噌どこを作り、すり身でまいたからすみを漬け込む。一週間で、飴色かわれば食べごろ。