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日曜日, 10月 19, 2008

食糧危機

テレビで報じていた内容をメモっておこう。

近年ともろこしの価格が高騰したことは記憶に新しい。
食用としてだけではなく、バイオエタノールの原料として利用されはじめた結果として、従来の需要と供給のバランスが崩れ、極端に需要が増えてしまった。売り手はより高い価格で値をつけたところに売るので、食用としてのとうもろこしも値段をつりあげたということだ。

そして、いま大豆の高騰も問題になり始めている。大豆の場合、世界の人口増が原因だ。とうもろこしのように特別な需要が起こったわけではないから、この問題は、遠からずすべての食品に現れる現象だろう。

大豆危機の発端は、世界の主要な大豆輸出国のうち中国が輸入国に変わったということだ。

すなわち、ある国が先進国並みに発展するという事実は、その国の人たちの食文化の先進国化も促すということだ。最近成長が激しいといわれているBRICSだがその人口の内訳は、ブラジル1.8億人、ロシア1.4億人、インド11億人、中国13億人だ。今後さらに、他の国も成長してくるとどうなるか?想像に難くない。

ましてや、その後に続く途上国もやがて先進国並みの生活を求めるだろう。


そういう事情から、食糧危機は世界中の国が既に意識している。


ウクライナの例を見てみよう。この国は世界有数の穀倉地帯ともいわれるほど肥沃な土地に恵まれている。ソ連崩壊後、肥沃な黒土の畑が、かなり多く休耕地となっている。世界各国がその土地に目をつけ、その土地からの収穫や土地そのもに対する権利を拡大している。ちなみに日本は完全に出遅れているらしい。

また、穀物を保存するサイロなども、かなりのスケールで建設が進めている国もあるという。食糧難になっても、少しでも在庫の穀物で賄う期間がかせげれば、そのうち、供給が改善することもあるだろう。国としての政策は正しいといえる。

国内の食糧不足を防ぐため、とうもろこしを輸出制限を発動する国もある。冒頭に述べたとうもろこしは、利用される分野がバイオエタノールの原料とまで広がったことから、少し早めに需要が増えすぎた現象がおきたが、人口爆発、発展途上国の経済成長が伸びれば、今後、大豆やその他食品でも同様のことがおこる可能性がある。

食糧不足を防ぐ切り札として注目を集める先端技術がある。遺伝子組み換え技術だ。とうもろこしの遺伝子組み換えを行い、農薬に対する耐性をあげて収穫量を伸ばしたケースが紹介された。国をあげて奨励したのが、南アフリカ。

だが、遺伝子組み換えには不安も多い。ある一部分の遺伝子情報を組み替えてできたものが、収穫量を上げる特効薬になったからといって、副作用を起こさないという保証はない。南アフリカでも、それを心配する庶民が出始めている。アメリカ人は、遺伝子組み換えを食べないが南アフリカの貧しい住民にそれを生産させ食料とさせているという批判だ。結局国は、遺伝子組み換え表示を行うことで、この話への回答としたらしい。

ちなみに遺伝子組換え大豆は日本でも、サラダ油などには使われているらしい。今の議論は主食とするかどうかという点に重点がある。


日本の不安をあおるようだが、来年の大豆はまだ半分も輸入できていない。例年ならもう既に1年分の在庫は確保されているはずだ。


これらの問題を解決するには2つの手段が考えられる。農地を増やすことと、畑からの収穫量を増やすことだ。

農地を増やすという意味では、先にふれたように、海外の肥沃な土地争奪合戦にどう勝ち残るかということだ。ただ、ここで諸外国との競争に簡単に勝てないという現実もある。なぜなら、日本の国民性にあった大豆を生産させようという日本側の思惑に対して、土地を保有する国はより高い値での借り手があればそちらへ融通しようとするからだ。

現在日本の穀物の食糧自給率は28%。先進国は概ね自給できている。

もうひとつの活路として生産量をあげる努力として、先の遺伝子組み換えが代表的な例だが、人への副作用がどうなるのか、という点に課題は残る。


日本では減反政策というものがあって、この政策のために米を生産するための田んぼの4割が休耕地になっているということだ。ここに飼料米を植えるということは一つの解決策だ。飼料米は減反の対象にならないので、現状でも生産可能だ。また、米を飼料として成長した動物は、その最終食材での栄養価が異なり、通常の飼料によるよりも良い結果を生むこともあるらしい。これまで飼料は穀物であったが、日本には余っている米や田圃を利用して、飼料を確保するという発想だ。

さらに、飼料米としての品種改良も進んでいるということだ。

もうひとつのライスパワーとして、米粉を小麦粉のように利用する技術もできてきているらしい。米粉を細かくパウダー状に粉砕する技術により、パンなど従来小麦粉で作られていたのものもできるようになった。味はモチモチ感があるが、言われなければわからないということでもある。

減反政策そのものを見直すことも大事だが、技術革新が行われることも良い。

技術革新を取り入れた生産システムを保護する価格や支援の仕組みを整えることが促されていくべきだ。

もうひとつ、無駄という考え方もある。日本では年間食べ残して捨てられる量が900万tあるという。世界の食糧援助料590万tというからそれをはるかに超える食料が廃棄されている。

これらの廃棄の中には、購入した状態でそのまま捨てられているものも多い。京都大学でその内容を調査している場面が放映されたが、おそらく賞味期限が切れているという理由で捨てられているのだろうといっていた。


最近消費期限の偽造などで摘発されているケースも多いが、回収と処理により再生が行われる仕組みができれば、きっと様々な機会が生まれるのだろう。
しかし、食糧危機はそう遠くない話であることを実感する。