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日曜日, 3月 28, 2010

え! 人体が再生する?

テレビを見ていて、驚いた。
再生医療についての話だった。

イモリは手足が切断されても、やがて完全に再生する。どうして人間はできないの?

子供のころ考えた素朴な疑問。


だが、その力が人間にも眠っているというのだ。


なくなった筋肉や骨が再生される。手術でもない。特別な薬でもない。活躍するのは、私たちの体の中にある幹細胞とい呼ばれる細胞だ。眠っている幹細胞の能力を目覚めさせれば、私たちもイモリのように体を再生させることができるという。

まだよくわかっていない技術だ。だが、美容の世界では、すでに、豊胸や肌のしわをなくす技術として実績をあげている。

そして、動物に人の臓器を作らせる研究、病気の子供を治療するために、新しく遺伝子操作して子供を産ませる。そんな話も紹介された。


若さや健康が豊富に手に入れられる時代になるのか?


とりあえず、その内容を忠実にメモっておこう。


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まず、指先を事故で切断した人の話。
切断した指に、細胞外マトリックスという粉をつける。すると、4週間で指が再生したという。本人の話では、感覚も元通りだという。爪の伸びが早いという。喜んでいた。

効き目がよくわからないのだが、アメリカの軍がその技術にとびつく。指を根元から切断した兵士にその技術を適用した事例を紹介。50日間で指の付け根が1CMほどのびたという。

細胞外マトリックスとは、豚の膀胱の細胞を取り除いた後の組織。それを乾燥して粉にする。細胞外マトリックスは、何らかの信号を出して、再生力を持つ幹細胞を呼び寄せると推測されている。集まった幹細胞が指を再生するというのが有力な説。幹細胞とは、受精卵が分裂を繰り返してさまざまな種類の細胞に変身するがその途中の細胞で、脳、皮下脂肪など様々なところで見つかっている。
事例では、指の再生に活躍したのは骨髄に関連した幹細胞だろうと考えられている。皮膚や血管、筋肉に変身できるとともに、まわりの傷ついた細胞を修復する細胞もだすという。

筋肉も再生した事例が紹介された。



このような再生技術の発達について、二つの考えの葛藤がおこる。
新しい技術の素晴らしさを後押しする考えと、検証されずにリリースされることの不安だ。



最近、おなかの脂肪の中に大量にこの幹細胞が含まれているという。(ということには、ちょっとでてきたおなかもやがてそれで良かったのだと思える日がくるのだろうか・・・・?)



日本でも行われている幹細胞による新しい医療の例が紹介された。
乳がんなどの手術でへこんだ部分の乳房に、幹細胞を注入するというものだ。すると血管やまわりの組織が再生するという。シリコンなどを入れる従来の方法では、数年後にしぼんでいくことも多いが、幹細胞を使うとほとんど縮まないという。30人の手術を終えて、臨床試験として行われている。
データを集めてこれからの期待がかかるところだ。入れた細胞が壊死して、体内で腐ってしまう危険性もあるという。臨床試験を終えるまでにまだ数年はかかるという。


境界線はまだどこにあるのかわからない。が、ロンドンでは、幹細胞の豊胸手術が行われているという。アーメルカーン医師の紹介。

治療した患者の例ではAカップからダブルDカップになったという。副作用の恐れがあると説明して、サインしてから手術する。

豊胸手術を受けた患者の紹介があった。大変喜んでいる。副作用を覚悟で、130万円かかったという。自分の細胞を使う自然な方法だと割りきったという。


このクリニックでは幹細胞を顔のクリニックにも使っている。この医師は皮膚が若返り、しわが減る効果も期待できると説明している。幹細胞と脂肪を混ぜたものを顔に注入する。100万円。



動物に人の臓器を作らせる実験も進められている。

栃木県の自治医科大学、先端医療技術開発センタでは、遺伝子操作した大型動物を実験に使うことを許された施設がある。厳しい国際基準をクリアした世界でも珍しい施設だ。

ここでは、人の肝臓を豚の体内で作る研究をしているという。豚が選ばれたのは、成長が早く、肝臓の大きさが近いからだ。


その手順。
最先端の遺伝子操作により子豚を産ませる。特殊なライトを当てると赤く光る子豚、緑に光るネズミ。サンゴの遺伝子やクラゲの遺伝子を組み込まれたものだ。
人の体内から幹細胞を取り出し、豚の胎児に注入する。
肝臓ができかけたたころで、肝臓を薬で壊す。
そこで、人の幹細胞が肝臓の位置に集まってくる。幹細胞は肝臓に代わる能力もあるので、人の肝臓が作られる。
あとは豚が成長し、肝臓が十分な大きさになったら取り出して人に移植する。
これらは、小形動物で成功している。
ラットとネズミで使っての実験。ラットには蛍の遺伝子操作で作られている。
ラットの幹細胞をネズミに入れて再生する臓器が、ラットのものかどうかをはっきり確認するためだ。
これにより、肝臓が種の異なる動物の中でも作られることが確認された。




将来の臓器製造を見据えて、幹細胞を保存するビジネスもアメリカでは始まっている。
幹細胞バンクでは、希望する人の骨髄から幹細胞をとりだして保存している。
若いときの方がいきのいい細胞がとれるそうだ。費用は180万円。



必要な人体の部品を作るために子供を作るそのような試みが始まっている。

「救世主兄弟」の事例が紹介された。

アメリカでの例。遺伝子に障害がおこり、骨髄の幹細胞の働きが悪く、ダイヤモンドブラックファン貧血を発症している少女。
親は医師からはこのままでは命にかかわるとつげられる。
完治するには、造血幹細胞をもらう必要がある。hlaという免疫の型があわなければいけない。型があうのは数万にに一人。兄弟では4人に一人。
もう一人子供を作って、その子から幹細胞を得られればいいという示唆をうける。
体外受精で23個もの受精卵をつくり、8個に分裂したところで、1個を取り出して免疫の型を調べる。
残り7個の細胞でちゃんとあかちゃんができることが分かっているという。23個の受精卵のうち2個が一致していた。

選ばれた受精卵で妊娠に成功。2005年5月誕生。
こうして生まれてくる子供は「救世主兄弟」と呼ばれた。
1歳になった時に、その骨髄を、姉に移植。治療は成功したという。

両親は、子供たちに姉と弟の関係を少しずつ子供たちに教えているという。
二人は免疫の方は一致している。この先、どちらかの体に障害がおこり、臓器移植が可能だ。もしそういう事態がおこれば、その選択を迫られる日が来るわけだ。それはまた、その時のつらい選択になるだろう。


一方ロンドンでは、社会問題となっていた。

一つの命を救うために別の命を作ることが許されるのか?
もちろん家族は、子供の命を救う行為として正しいと思っている。
議論の場は議会に付された。

生まれた子供の権利は?
救世主兄弟は常にドナーとなる恐れがある。
臓器移植のために救世主兄弟が作られる恐れがあるということだ。生まれた子供はあらゆる臓器をスペアの人体のように扱われかねないということだ。

4年の議論の末、2008年11月、条件付きで救世主兄弟を認める法律を制定した。
再生医療研究や生殖医療について、何を認め何を禁じるのか細かく定められた。
救世主兄弟を作っていいのは、血液の病気に限定、臓器移植を目的としたものは禁止。
医療技術の使い方を限定している。


アメリカでは、救世主兄弟に関する法律はない。
法律で決めることではなく、医師と家族が良心に基づいて行われる。生殖医療について、自主規制でコントロールしようとしている。



マーク・ヒューズ医師の例の紹介があった。当初は救世主兄弟を作るのを拒んだが、病気の子供を持つ親からの懇願を聞いて熟考した末、今では信念を持って正しいと考える。

「医療とはもともと母なる自然に逆らうものだ。人々の病気を治し、生活を良くするために努力することが医者の務めだ。必要であれば母なる自然にも逆らう。なぜなら自然はときどき非常に残酷だからだ。」

別の子供の命を救うために、新しい命が作られる・・・そのようなことが許されるのだろうか?。
肝臓は再生するので2/3まで移植できる。腎臓は2つあるから1つを移植できる。そのほかに骨髄や皮膚も移植できる。


アメリカでは、研究者の良心を信じて、開発を進める。
イギリスでは、社会で規制をかける。


日本では、懐疑あれども議論なし。


イギリスでは、昨年、ある研究者が、幹細胞に特殊な薬剤を加えて人の精子を作ることに成功したという。すでにマウスでは子供を誕生させることも成功している。

将来、女性から精子をつくれるようになれば、女性どうして子供をつくれるようになる。


クローン人間づくりの帰省のない中東にいって、その研究を行っている研究者もいる。


おどろいた。人体製造技術は、こんなに急速に進んでいる。

誰しもできるだけ、完全な形で生きたい。生きる者のエゴ。
それが、自分に跳ね返るのならばそれもいいと思われる。
だが、それが、他人を犠牲にすることが条件ならば、やはりその善悪の彼岸を見極める必要があるだろう。