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月曜日, 1月 28, 2008

不都合な真実

アルゴア元大統領候補 著 「不都合な真実」 という本を読んだ。ノーベル賞を受賞したので、ご存知の方も多いと思う。
一言で言えば、地球温暖化への警鐘 ということだろう。
 
この本は映画化もされており、私も昨年、見て衝撃を受けた。今般、本を読んでさらにこの本の偉大さを感じた。

「地 球温暖化」という言葉を聞いたことのある人は多いだろう。おそらく、日本でも、夏場の暑さが年々厳しくなってきているということくらいは、世間に無頓着な 人でも感じているのではないか?。東京では、スコール状の突発的な大雨を体験することが多くなったと感じている方もいると思う。。台風の勢いが強くなった、少し季節 の感覚がずれるようになった、日本に本来いない生物が最近発見されるようになった、など最近話題になる自然現象の異常は、どれも温暖化の現象として説明がつく現象だ。

もしかしたら、先週北国が体験したどか雪を見て、温暖化なんて空言だと思っている人がいるかもしれない。そんな人には是非、この本を読んでほしい。この本を読めば、その大雪の現象すら、温暖化の現象として説明されることが理解できるだろう。温暖化して空気中の水蒸気が増えたという単純な事実の結果なのだが、そのように展開していくメカニズムと結果が持つ重要な意義に触れてほしい。

本は、写真が豊富で、まず手にした感覚として美しい本だという印象を持った。

ページによりメッセージの表現が違う。普通の本のように字面が並んでいる部分もあれば、複数の写真や画像を科学的根拠として掲載し簡潔に読みやすい大きな字で解説を加える部分もある。全体として読みやすい。そして、画像や写真が多いため、とても理解しやすい。

地球は温暖化しているとその本はいう。様々なデータが提示されており、それらのデータが示す事実は、「衝撃的な勢い」だということだ。
そして、二酸化炭素など、温暖化ガスの排出が過去に比類の無い勢いで大気に放出されていることが、原因だと思われるいくつもの根拠が示される。

地球が温暖化した影響はどうなのか?

いくつかの気象、植生や生態系の変化が起こっている事実が示される。

気温が上がり、水蒸気が多く空気に含まれ、台風などが巨大化しやすい。大雪も同じ現象だ。
いまや、キリマンジャロなど高い山の雪が無くなっている現実の写真と隣に配置された過去の写真とを見比べて、驚かない人はいないだろう。干上がった湖。焼失した森、枚挙に暇がない。

気 温があがると、生態系にも影響が出る。本来その温度域では生存できなかった種が生存するようになると、それがもとから生存していた種にとっての天敵であれ ば、あっというまに絶滅の危機に直面する。また、それが起こると本来の食物連鎖の構造が壊れて、その地域の生態系は大きく変化してしまうおそれがあるの だ。

海水の温度があがり、CO2が海水に溶け込みやすくなり酸性化しやすい。海の生態系にも影響がある。さんご礁が失われつつある事実をご存知か?

海 水の温度があがると、南極や北極の氷が溶ける。そこを住みかとしていた皇帝ペンギンやしろくまにも悲劇が襲う。なんと痛ましい状況か?。そしてそれは、人 間の将来への伏線だ。これからさらにそれらの地域の氷が溶けていくと、世界各地の沿岸地域は水没する。そして、沿岸地域には人類の今の繁栄を支える工業地 帯が広がっていることから、人類が失うものの壮絶さは想像にかたくないだろう。

世界の海をつなぐ海流の動きを変えて、氷河期の到来を危ぶむ声もある。

温暖化の恐怖は底が見えない。本当にこんなことがおこりつつあるのか?

その温暖化が実際に起こっているスピードとその原因について、この本は、科学者達の努力の結果としてのいくつかのわかりやすいデータを示している。是非見て自分で判断してほしい。

人類は、産業化と共に大いなる文明を気づき上げたがその対価として、本来の自然活動の中で排出されていた温暖化ガスの量をはるかに上回る勢いで排出し続けている。そして、20世紀に入って爆発的に増え続ける人口。すべての人が同様の社会水準を享受するためにはいったいどれだけの温暖化ガスを排出しなければいけないか?

いつかはくるそ の事態に対して、有効な対策をまた、同時に掲げている。政治に働きかけることや、過去に一部地域で採用された炭素取引市場の紹介など・・・。住宅に対してもい くつかの方策を示している。だが、企業の中には、それらを認める事に目を向けようとしない圧力もある。なぜなら、資本主義経済にそぐわない環境問題は、し ばしば彼らにとって足かせとなる「不都合な真実」だからだ。

それを告発した勇気と労力そして人類愛が、この本を世に賞賛させた所以である。

と ころが、取り組みが早かった日本では、実は、企業活動ベースの省エネはかなり進んでいる。どこがネックになっているかといえば、住宅ベースの話だ。この分 野の省エネはほとんど進んでいない。むしろ悪くなっている。告発されるべきは「私達の生活習慣」そのものなのだ。そしてはそれはほかならぬ私達に今の生活からの変化を強いる私達にとっても「不都合な真実」なのだ。

私達のひとりひとりが、もう少し意識を持てば、 地球の崩壊をもう少し延命させることができるのかもしれない。この本を読めばその手がかりを感じることができる。

最後にこの本の裏表紙に記載された「あなたにも、すぐできる10の事」を引用します。
  1. 省エネルギー型の電化製品や電球に交換しましょう。
  2. 停車中は、エンジンを切り、エコ・ドライブしましょう。
  3. リサイクル製品を積極的に利用しましょう。
  4. タイヤの空気圧をチェックしましょう。車の燃費基準を上げれば、無駄なエネルギー消費を妨げます。
  5. こまめに蛇口をしめましょう。水道の送水に使用されるエネルギーを削減する事ができます。
  6. 過剰包装、レジ袋を断りましょう。買い物は、リサイクル・エコ・バッグを使いましょう。
  7. エアコンの設定温度を控えめに設定し、エネルギー削減をしましょう。
  8. たくさんの木を植えましょう。
  9. 環境危機についてもっとまなびましょう。学んだ知識を行動に移しましょう。子供達は、地球を壊さないでと両親に言いましょう。
  10. 映画「不都合な真実」を見て、地球の危機について知り、友に勧めましょう。
ひとつ付け加えます。映画を見た後でもよいと思いますが、是非本も手にとって見てください。人類を延命させるために必要な意識を、常に感じることができます。